読みやすさ 9
イラスト 7
キャラ 8
ストーリー 9
今後の期待値 10
おすすめ度 10
灰と幻想のグリムガルlevel.3を5項目で10段階評価し、トータルのおすすめ度は上のグラフにまとめました。
この作品の個人的感想を載せていますので、良ければ読んでみてください。
ネタバレもこみの感想を思いのままに書きつづっています。
ネタバレが嫌な方は引き返していただいて、嫌でない方はこのまま読み進めてもらえると嬉しいです。
今回この作品はlevel.18まで読んだ後に読んだ感想になりますので、少々ひいき目に見ている可能性がありますが、そこはご容赦いただけますと幸いです。
一番の見どころ
主人公パーティの成長
一巻や二巻でも主人公たちは成長していました。
しかし、今回はいままで培ってきた成長がお披露目とばかりに、個々の能力を十分に発揮しパーティの連携も自然にすることができ目に見えて成長しています。
個々の能力が上がるのは物語でよくあることですが、パーティの連携が良くなる描写を丁寧に描く小説はあまりありません。
連携がうまくいくなんて当たり前すぎてえがかれないことが多いですがその当たり前が難しいことがよくわかるようになっています。
1巻ではゴブリンをひたすらに狩り、2巻ではコボルトをひたすら狩り、2巻の最後には運よくではありましたがデットスポットと呼ばれる強大な敵まで倒すに至りました。
主人公たちは最底辺だったからこそ努力を怠らず、日々の積み重ねが大事なことを1巻、2巻を通して教えてくれているように感じました。
運よくではありますが、自分たちの実力以上の敵を打ち倒すことによって最底辺だった自分たちが、日々の積み重ねにより力をつけていることを自覚しはじめます。
そして3巻ではいままでつけてきた力を発揮し始めます。
主人公たちのような新人冒険者はオークを倒して一人前といわれており、そのオークたちを主人公たちは危なげなく倒していきます。
1巻の頃には想像もしなかった成長です。
さらに今巻は主人公たちの成長を引き立ててくれるキャラ達がいます。
新たにグリムガルにやってきた新人グループです。
主人公たちよりも後にやってきた新人グループは主人公たちのような問題児の集まりというわけではなく、かといって主人公たちの同期のようにカリスマ性があるわけでもないごく普通のグループが登場します。
このパーティが登場することによって、主人公たちがどれほど個々の力をつけ、パーティの連携がどれほどうまくなっているかがよくわかります。
終盤では1巻2巻では雲の上の存在だった、同期のレンジ達の足元ぐらいには追い付き始めていることもわかり、今巻は他のパーティとの比較によって主人公たちの立ち位置がよくわかるようになっています。
今回引き立て役として出てきた新人グループはほぼ全滅します。
主人公たちの最初期に比べると圧倒的に個々の力が高く、これからすぐに追い抜いていきそうなグループにもかかわらずです。
新人たちは中途半端に力を持っていたがゆえにおごっており、今まで苦戦という苦戦を強いられることがなかったためか、ハプニングで思考を停止し動けなくなる場面が何度か描かれていました。
この部分が主人公たちとの大きな差です。
主人公たちは早々にマナトというリーダーを失うことにより、自分たちがいかに弱く必死にやらないと死ぬ、必死にやっても死ぬことを身をもって知っていたため、努力を怠らない、油断をしない、調子に乗らない、など自分たちの速度で進むことを徹底していました。
早めに大きな失敗をしたことによって多少のハプニングにも柔軟に対応する能力を身に着けていたのです。
そうして積み上げてきたものを発揮するのがこの3巻です。
主人公達の成長した姿に興味をもった方は、ぜひこの作品を読んでみてください。
この作品は2022年8月22日現在私がライトノベルで一番面白いと思っている作品の第3巻となっています。
この作品に少しでも興味を持っていただけたなら、手に取って読み楽しんでもらえると幸いです。
これからも多くの作品をレビューしていきたいと思いますので、どうぞこれからもよろしくお願いします。